06:カメオ/柴田                              真山バージョン

 

 

 

あの人にカメオを着けてもらう瞬間が最高に好きだ。

 

 

あの人に後ろに立ってもらうだけでもドキドキする。

至近距離だから、たまに呼吸が髪にかかったりするけれども、それだけでもう私は駄目になる。

人形のように動けなくなって、ただ黙って着けてもらうのを待つ。

 

あの人の綺麗な指が後ろから伸びてきて。

カメオをつけた鎖が私の首の周りを囲む。

その仕草はまるで私を後ろから抱きしめてるようにも思えて。

この鎖があの人の腕だったらなぁとよく考える。

 

それからその鎖を繋ぐ金具。

器用な人なのに、やはり小さい部品は苦手らしく、いつも「くそ」とか「なんでだよ」とか文句を言っている。

それがとてもおかしくて、とても愛しい。

あの人にバレないようにと小さく笑っても、絶対バレてしまうから不思議だ。

片手で小気味よく叩かれて「ほらもうお前のせいで最初っからやり直しだよ」と文句を言われる。

私は「すみません」と謝るけれど、本心はちょっと違ったりする。

 

もう少しだけ、この鎖と格闘してくれないかな。

 

だって、私にカメオを着けてくれることだけに熱中してくれるなんてちょっと嬉しい。

・・・なんて言ったら、もう一生着けてくれないだろうから、言わないけれど。

 

 

それから、着け終わった後のあの得意気な笑顔も好きだから。

 

どうか、いつまでもカメオを着けるのが下手な真山さんでいてください、ね。

 

 

 

真山バージョン