別れの詩
僕の願いはただ一つ。 それはきっとずっと変わらない。 今も、昔も、そしてこの先も。
優希、泣かないで。
決して、自分を責めないで。 君は悪くない。 君は何も悪くなんていないんだ。
僕を忘れることを恐れないで。
忘れる事は悪い事じゃない。 だって、昔の僕らのように消化できない痛みは、決して忘れる事はできないだろう?
忘れるのは、君の心の中で綺麗に消化された証。
忘れる事と大切にしないこととは同じ意味じゃないんだよ。
それに僕は覚えている。 君が、僕を助けてくれようとした事。 一緒にどこへでも行こうって言ってくれた事。
決して忘れたりなんてしない。 その言葉を聞くために、僕は生まれたのだから。
何一つ残せない人生だったと思ってた。 母を苦しめて、他人の命を奪って、君を悲しませて、そんな忌むべき存在。 それが、僕だと。
けれどもあの言葉で判ったんだ。 君が、僕をちゃんと見てくれていたこと。 母が僕を見てくれなくても、君を助けることが出来なくても、 君は、僕を愛していてくれていたんだね。
『ありがとう。』 その言葉しか言えなかった僕を許して欲しい。
愛している。 資格がないことも、男として何も出来ない事も無視をして 君にそう伝える勇気が僕にあったら、何か変わっていたのかな。 僕たちは世界一臆病な恋をして、幸せになっていたかもしれないね。 その想像だけで充分だ。
優希、大切な人を見つけたのなら、その人と幸せになって。 遠慮なんて要るはずがない。 僕はもう、過去の人間。 存在が枷になるならば、喜んで消えていくよ。 ただ、我侭が許されるとしたら、 傷ついた小さな君と、あの時の言葉。 それだけは一緒にもって行くことを許して欲しい。 それがきっと僕の全てだから。
おめでとう。 ・・・そして、さよなら。
どうか、幸せに。
願わくば、それでもまだ君を想い続ける僕を許して欲しい。
|