レンアイ

 

 

夜、煙草がなくなってしまった。

仕方なく、コンビニに行く。

 

連休の中日。

珍しく、刑事魂な上司はウチに来なくって。

ほっとしつつも、少し寂しい。

 

普段は、どんなに文句を言っていても、俺はやっぱりアイツと捜査に行くのが楽しかったんだと珍しく素直に認めた。

それは、やっぱりアイツと一緒にいるのが楽しかったのかもしれない。

 

たった、2・3日会わなかっただけなのに。

考えてしまうのはやっぱりアイツのこと。

 

俺が、こんな思いをしているなんて、アイツは夢にも思っていないんだろうなぁ・・・

 

煙草を1カートン、それに缶コーヒーと今日の夕飯を買い、コンビニをさっさと出た。

 

『家に帰ったら、電話してみようか』

俺は、中学生のガキかよ―

柄にもないことを考えて、一人苦笑いをする。

 

こんな時、アイツはどうするのだろうか?

素直に、俺に電話をして「逢いたかった」とでも言うのだろうか。

 

やっぱり、逢いたい。

今すぐ、逢いたい。

 

ガキのような恋愛に、たまには溺れてみるのもいいのかもしれないな。

 

早足で、アパートに着く。

エレベーターのボタンを押し、目指すは自分の部屋。

なんだか、急いでいる自分が可笑しい。

一秒でも早く、アイツに逢いたいのだろうか、俺は。

 

家の前にあった、黒い物体に俺の動きが止まった。

 

 

「何してんの?」

「あ〜、真山さん。おかえりなさい〜」

柴田だった。

すごく嬉しいなずなのに、俺のからだに染み付いている天邪鬼のせいで、いつものようなぶっきらぼうな言い方しか出来ない。

 

「何してんの?って聞いてるんですけど?」

「えっと、真山さんに逢いたくて・・・」

―やっぱり。

「じゃなくって、鍵持ってるんなら部屋の中に入ってればいいでしょ?」

「はい・・・でも・・・」

「でも?」

「ドアの外で待っていた方が、早く真山さんと逢えるじゃないですかー」

「は?何秒かの差でしょ?」

「そうなんですけどね。うふふ」

嬉しそうに、柴田が笑う。

 

素直な柴田は、とても真っ直ぐで眩しい。

眩しすぎて、目を逸らしたくなる時もあるけど、やっぱり傍にいて欲しい。

ずっと、ずっと俺の傍に。

 

俺の傍に、君がいて。

それでもう十分なくらいしあわせ。

 

中学生みたいな恋愛は出来ないかもしれないけれど、

俺は、俺なりにお前を想っているよ。

精一杯。

 

口に出しては、云えないけどね。