密談

 

 

 

 

ぽりぽりぽり。

「・・・真山さん」

「んー?」

「まだお昼にもなっていないのに、何を食べてるんですか?」

「柿ピー。何?お前も食べる?」

「結構です。もうすぐお昼ですので。真山さんも今から食べてるとお昼食べられなくなりますよー?」

「しょーがないでしょ?腹減ってんだもん」

「あと30分じゃないですか。我慢してください」

「ヤダ。どっかの誰かさんのせいで朝飯食えなかったんだから、大目に見ろよ」

「どっかの・・・って、私のことですか?」

「身に覚えないの?ハイマー?アルツハイマー?」

「もしかして、朝コーヒーこぼした事、まだ言ってるんですか?」

「当たり前でしょ?朝から手間かけさせやがって・・・どーすんだよ、布団夜までに乾かねえぞ?」

「真山さんが無理矢理飲ませようとするからじゃないですか〜」

「お前ねぇ・・・あ、そういう事言うワケ?」

「だって、私まだ目が覚めてなかったんですよー?」

「馬鹿。眠くてもなぁ、コーヒー飲めば目が覚めるんだよ!俺の優しさじゃん」

「ですから、それは真山さんの場合じゃないですか?私はコーヒーそのまま飲めないんですよ〜」

「だからってコーヒーぶちまけることねえだろう?」

「あれは偶然手がカップに当たってですねぇ・・・」

「嘘付け。わざとだろ。性格悪いよ、お前」

「真山さんに言われたくないです〜」

「柴田、お前ねぇ・・・」

 

 

 

「なーなー、近藤さん。いつからここはカップル喫茶になったの?」

「まぁ、平和でいいじゃないですか」

「どこが平和やねん!聞いてるとムカムカしてくるわ」

「わしもなんやろ・・・ちょっと寂しゅうなります・・・」

「アンタみたいな万年独りモンには辛いやろーなー」

「そうなんすよ・・・姐さん、エエ娘紹介してくれまへん?」

「嫌や。アンタみたいなんが知り合いやと思われたら、アタシの質が下がるやんか」

「ひ、ひどい・・・」

 

「でも近藤さん、真山さんってあんなキャラやなかったよなぁ?」

「そういわれてみれば・・・以前の真山さんからは考えられませんよね」

「なー?ホンマ、キャラ違って痒くなるくらいやわ」

「前の真山さんってどんなんやったんすか?」

「あ、そっか。アンタ柴田の後にウチの係来てんねんなー」

「はい。ワシが来たころから、真山さんあんなんやった気ぃするんすよ」

「まあ、あの頃の真山さんやったら、金太郎、アンタ二秒でしばかれてるで?」

「ひい〜!!ホンマですか?」

「ホンマや、ホンマ。あの頃アタシでも目ぇ合わすの怖かったわ〜」

「え?木戸さんは十分渡り合ってたと思うんですけど・・・」

「なんやと?アタシみたいな、かよわ〜い女の子に相手できるわけないやろ?」

「す、すみません・・・」

「ほんなら、よお耐えましたなぁ、近藤さん」

「・・・雰囲気は今よりも怖かったですけど、それ以外は今とあんまり変わらないような気がしますけどね」

「そうなんすか?」

「やる気は・・・今よりはなかったと思いますけど、結構捜査資料とか読んでましたよね?木戸さん」

「・・・ほとんどは遊んどったけどね」

 

「ほな、真山さんは前からあんなんやったってことでっか?」

「仕事に対する姿勢は、前からそれ程変わってないと思いますよ?」

「意外やなぁ・・・東大ちゃんとコンビ組んどるから捜査やっとると思ってましたわ〜」

「まぁ、アンタが知らんのも無理ないけどな・・・真山さん、もとは結構優秀やったんやで?」

「えっ?ホンマでっか?」

「公安でも結構期待されとったんと違う?あの事件まではバリバリやっとったからなー」

「ほぉ・・・」

「張り込みの時などの手際のよさと行動力は凄いですよね」

「ホンマはそういう男やねんって」

 

「・・・姐さん、最初と言ってることちゃいまっせ?」

「アタシが信じられへんのは、あの男が職場でいちゃいちゃしてる方やって」

「昔は、お家に帰られたら何をしているか想像できませんでしたからねー」

「そ。その辺がなぁ・・・よかったって素直に言うてええのか、こっちとしたら痒いっちゅうのか・・・」

 

 

「きゃー!!彩さーん、助けてくださーい!!」

「なんや?柴田、どうしたん?」

「どけ、木戸!柴田こっちによこせ!」

「彩さーん、真山さんが・・・真山さんが〜!!」

「真山さん、職場で強姦はよくないで?」

「誰がこんな所でするかよ!いーから柴田、来い!」

「こんなトコやなかったらするんや・・・」

「真山さん、犯罪者に成り下がるんですね・・・」

「うるせえ、お前のせいだよ!お前の!」

「あー、もうあんたらちょっと静かにせえって!」

 

 

 

「・・・まぁ、いいんじゃないですかねぇ」

「ワシも、二秒でしばかれるんやったら、こっちのほうがええっすわ〜」