手紙

 

 

 

元気ですか?亜子。

あ、元気ですよね。今日僕のところに来てくれましたから、知ってます。

 

僕は、まさか亜子が来てくれるなんで夢にも思っていなかったので、とてもびっくりしました。

しかも、あのレイジさんを連れてきてくれるなんてもっと、もっとびっくりです。

亜子の目が見えなかったなんてまたまたびっくりです。

ごめんね、亜子。全然知らなくって、ぼくはやっぱりだめなお兄ちゃんですね。

 

でも、亜子がぼくのお墓の前で言ってくれたことは覚えています。

お父さんが死んで、一人ぼっちの亜子のところにレイジさんがぼくの代わりに行ってくれたそうですね?

やっぱり、レイジさんはかっこいいです。

亜子もそう思ってくれてうれしいです。

だから、亜子がぼくに「レイジさんを好きになってしまいました」と言った時は、当たり前だと思いました。

 

「お兄ちゃんがレイジさんに出会えて幸せなように、亜子にもそういう人がいるといい」とぼくは前に手紙に書いたのですが、覚えてますか?

お兄ちゃんはひそかに亜子の「そういう人」もレイジさんだったらいいなぁと思っていたので、とても嬉しいです。

亜子の後ろで立っていたレイジさんはぼくが知っている頃のレイジさんよりももっともっとかっこよかったので、

レイジさんも亜子に会って幸せなんじゃないかなとお兄ちゃんは思いました。

 

亜子、お兄ちゃんはもうレイジさんから幸せをいっぱいもらえたので、今度は亜子がレイジさんに幸せをいっぱいもらってください。

もちろん、亜子もレイジさんに幸せをいっぱいあげてください。

 

それから、あとでレイジさんがこっそりぼくに教えてくれたんだけど、亜子がつくるみそ汁の味はちょっとだけぼくのつくるのと味が似ているそうです。

やっぱり兄妹だね、と言って笑ってくれたレイジさんはやっぱりかっこよかったです。

 

ぼくはもう死んでしまって、亜子のそばにはいれないので、あのオルゴールを大事に持ってて下さい。

もう手紙は書けなので、ここからずっと亜子が幸せである事を願っています。

 

ではお元気で。

 

礼慈