愛なんて

 

 

 

 

「愛なんて、いらない」

そう言ったのは自分。

 

 

私は光を失った。

それは、目だけでなく、こころの話。

目が見えなくなっただけじゃなくて、心まで光を受け入れなくなった。

 

咲も、楓ちゃんも、五十嵐さんも。

私に優しくしている人は、みんなみんな他に何かを求めている。

偽善、優越感、お金。

 

本心はわからないのに、そう決め付けていた。

 

だって、私は何も見えない。

光も、表情も。

 

だから、いらないと思ってた。

手で触れることの出来るもの以外は、みんな。

 

優しさも、楽しみも、喜びも、…愛も。

見えないものは、何もいらない。

 

そう、思っていた。

 

けれども、あなたはあらわれた。

見えない私に光をくれた。

 

それはとても強引で、無理矢理に。

それまでにはいなかった。そんな人。

あなたは無理やりに入ってきて、壁を壊した。

私と光の間にある壁を、ぜんぶ。

 

全然信じてなかった。最初から。

「血の繋がり」も、見えないものだから。

けれど、強引なやり方は拒むことなんて出来なくて、

頑固な所はきっと、兄弟以上にそっくりだったね。

 

あなたが見せてくれた光は、とてもあたたかくて、やさしくて。

でもきっとそれだけではない。その中には厳しいこともあるのだろう。

あなたのように。

 

 

愛って、なんだろう。

あなたが私にくれたもの、それが愛ですか?

 

それでも、私はまだ懲りずに言うと思う。

「愛なんて、いらない」と。

 

だって、私が欲しいのは、あなた。

あなたからの愛じゃなければ、意味なんてないのだから。

 

 

愛なんていらないよ、レイジさん。