51:族

 

 

 

 

「あのー、すみません。ちょっといいですか?」

「あ?何だよ、お前?」

「柴田です」

「・・・は?」

「ちょっとお話聞かせていただけますか?」

ばしっ

「お前さ、前フリなさすぎ」

「あ、真山さ〜ん。どこいっちゃったかと思いました」

「・・・迷子になってた上司を探してたんですけどねぇ?」

「私の方が早く此処にたどり着きましたよ?迷子になってたのは真山さんのほうじゃあ・・・いった〜い」

「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!柴田のくせに生意気なんだよ!!ばぁ〜か!!」

 

「あの・・・だから、おたくたち何なの?」

 

「あ、すみません。こちらは真山さんです」

ばしっ

「そうじゃないでしょ?・・・警察です」

「あ、そうでした。警視庁の・・・」

「何?お前また忘れてきたわけ?手帳」

「え〜っと・・・昨夜はあったんですよ?あれぇ〜?」

「あー、見たね。そういえば。お前の写真の可笑しさに笑った、笑った」

あ!真山さん家の机の上に置いて来ちゃったかも・・・」

「馬鹿。だから家出るとき忘れ物ない?って聞いたじゃん」

 

「だから・・・あんたたち何?」

 

「あ、そうでした。実はですね・・・上田圭介さんという方をご存知ですか?」

「・・・圭介ね。知ってるよ」

「上田圭介さん・・・本日こちらに集まっている暴走族、『双頭の鷲』の一員だそうですね?」

「俺、別に圭介と仲いいわけじゃねぇんだけど?」

「ええ。上田さんと仲の良かったといわれている方たちにはもうお話を伺いました」

「・・・じゃあ何?」

「暴走族というのは、具体的に何をする集団なのか教えていただけますか?」

 

「・・・は?」

 

「私、あまりその分野には詳しくなくって・・・」

「具体的って・・・」

「えー、暴走族っていうのは、オートバイなどを集団で乗り回し、騒音や無謀な走行で周囲に迷惑をかける者のことですよね?」

「迷惑っすか・・・」

「実際、警視庁にも騒音の被害などが・・・あいた」

「お前なに聞いてんの?木戸に聞けばいいでしょ?あいつヤンキー上がりだし」

「あ、それも考えたんですけどね。彩さんに聞いたら逆に混乱してしまって・・・」

「混乱?」

「はい。彩さん曰く暴走族って言っても色々あるから、ちゃんとその族の方に聞かなあかんって怒られました」

「・・・ってかさ、そんなこと4年前の事件に関係あんのかよ」

「それがですね、真山さん・・・」

 

 

「警察・・・?木戸・・・?彩・・・?関西弁・・・」

 

 

「・・・と、言うわけなんですよ」

「ふーん。お前さ、そういうことはこんなところに聞きに来る前に一言俺に相談しろよ」

「だって、真山さん事件に興味全くなさそうだったじゃないですか〜」

 

「あの!!」

 

「・・・はい?」

「まさか・・・木戸彩さん知ってるんすか!?」

「彩さん・・・ですか?はい。私の部下ですけど・・・」

「お前の方が後輩でしょ?」

「マジっすか!?あの、伝説の・・・?」

「伝説?」

「はい!!自分たちの憧れっす!!すっげぇ〜、やっぱ実在するんだ・・・」

「何やったんだよ、木戸・・・」

「すっごーい!彩さん」

「あの・・・握手してもらっていいっすか!?」

「あ、はい。いいですよ」

ばしっ

「コイツ、別に伝説の人物とかじゃないんだけど?」

「いいえ!?あの木戸彩さんのお知り合いの人に会えただけで自分、光栄ですので記念に!!」

「あはは。なんだか気分いいですねー、真山さん」

「・・・馬鹿じゃないの?」

「感激っす!!自分、知ってること何でも話します!!」

「わー、ありがとうございます〜。では、ちょっといいですか?」

 

 

 

 

「・・・真山さん」

「ん?」

「彩さんって凄いですねぇ・・・尊敬です」

「あー、悪かったな。役立たずで」

「別にそういう意味じゃあ・・・あっ、待って下さいよ〜」