34:面倒
大体さぁ、なんでみんな俺らをそんな目で見るわけ? ちょっと考えてもみてよ?
俺は、「柴田の研修時代の先輩」じゃん。 まあ、俺から見た柴田は一応「可愛い後輩」ってなんだよ。一応ね? だから、その後輩を自分のごたごたに巻き込みたくないってのはさ、普通の感覚なんじゃない? そう思わない?ねぇ。
俺だってキスはやりすぎたとは思うよ? でもさ、死にそうだったんだよ?あいつ。 血がいっぱい流れててさ、青白い顔でさ。 目の前真っ暗になってんのに、一生懸命俺を探しちゃってさ。
そうなったのは、全部俺のせいじゃん。 その柴田に頼まれてさ、嫌って言える?
まぁ、本音を言えば、一瞬・・・本っ当ーに一瞬なんだけど、ちょっとだけ可愛く見えたりしたんだけどね・・・
まあ、結局は生きてやがったんだけど。 本当、ふざけんのもいい加減にしろって、なぁ? 人騒がせなヤツ・・・。 まぁ、ほっとしたといえばほっとしたんだけどさ。 だって、最後に話したのが俺だったから、化けて出てこられたら嫌じゃん? ・・・ホント、それだけだってば。
そうそう、あの時俺が体張ってあいつを助けちゃったじゃん? アレがみんなに誤解を招いたよねー。 ほら、俺ってなんだかんだ言ってもさ、優しいじゃん?漢じゃん? 気付いたら体が動いてたってヤツ?あれよ、あれ。
別にあそこで暗示かけられてたのが、柴田じゃなくっても同じ事すると思うけど? ・・・多分ね。
別にこの歳で彼女欲しーとか思わないでしょ?普通。 結婚とかも興味ないし。性欲もお金出せば何とかなる世の中だしね。 むしろ、ずっと一人でいたから他人にペース崩されるなんてまっぴらなわけよ。わかる?
しかも、なんであんた達は、よりにもよって柴田とくっつけたがるの? あの柴田だよ? どん臭くて、頭臭くて、面倒臭い女。 あー、よ〜〜〜く見れば綺麗な顔してるってことぐらい知ってるけどさ。 女はさ、顔だけじゃないじゃん。ね? え?胸もでかいの?マジで?隠れ巨乳かよ・・・。 ・・・・・・ あ、ちょっと考えちゃった。いや、俺も男だしね。うん。
いやー、でも柴田はないわ。ありえないでしょ? 今も、地べたに寝転んでるようなヤツだよ? え?今?そうだよ。いつものように捜査に連れまわされてる所だよ。 あー、なんでいっつも俺なんだろう? こうやってさ、コイツがいつも俺を連れまわすから、みんなも変な風に誤解するんだと思うんだけど。 コイツは、そんなこと気にしないのかね? おーい、柴田?
「真山さん」 「・・・なんだよ」
なんだよ、なに黙ってるんだよ?なんか言えよ。 なに見てんの?俺の顔なんかついてる?
「・・・真山さんって・・・」
なんだよ、隠れ巨乳。
「真山さんと私っていいコンビですよね?」 「どこが?」 「こういうところが、です」 「・・・・」
やっぱりさ、会話とかかみ合わないし。 どう頑張ったって、無理なんだよ。
俺と柴田が恋人同士なんてさ。 ありえないんだって。ね?
だから、嬉しそうに笑う柴田にほんのちょっと変な気分がするのも、 何かの気のせいなんだよ。 ・・・多分ね。
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