14:世界の果て
いつも探している。 世界の果て、この世の果て。 それは、どこにあるのだろう。
そこにいけば、何があるのだろう。 きっと、なにもない。 それでいいのだ。
何もない世界。 それこそ、僕が望んだ世界。
過去の記憶。 辛かった事、悲しかった事、寂しかった事、怖かった事。 全部全部忘れて。 自由に、生きていける世界。
そこは、天国なんだろうか。それとも地獄なんだろうか。 きっとそのどちらでもない。 だって、ここが天国で地獄。
君に逢えた。それだけで天国。 君に触れたいと思った。そこからが地獄。
君に、そばにいて欲しい。 けれど、君がそばにいると苦しい。
進むことも、戻ることも許されない僕は。 この天国のようで地獄でもあるこの場所を旅することに疲れてしまったよ。
世界の果て。 そんなものがあるとするならば
僕はただ一人、佇むだけでいいのかもしれない。 君を想う気持ちも置いていって、ただ一人で。
それでもきっと僕は待ってしまうだろう。 君の声を。君の姿を。 また地獄がやってきてもいい。刹那だけの天国でも構わない。 それでも。 君が僕の名を呼ぶ声を。ぎこちなく笑うその笑顔を。 君の手のぬくもりを。
本当は、わかっている。 この世の果ても、天国も地獄も。 全ては僕の中にあるって事を。
運命の鍵は、全て自分が握っていると言う事を。
けれど この世の果てがあるのなら。 出来ることならば、君と二人。
そんなかなわぬ夢を、僕は今日もみてしまう。
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