Case3:近藤昭男X遠山金太郎

 

 

 

 

「お?近藤さん、ええモン持ってますなぁ」

「あ、遠山君。見つかってしまいましたか。先ほど斑目さんにいただいたんですよ」

「たい焼き独り占めなんて、やらしいですな〜。ワシにも分けて下さいよ」

「仕方ないですねぇ。半分こしましょう」

「悪いっすね、近藤さん」

 

近藤がたい焼きを二つに分けた。

 

「あ、中はこしあんなんですね。珍しい」

「なんや、こしあんかいなー。ワシつぶあんのほうが好きなんやけど」

 

金太郎のぼやきに、近藤が眼鏡をきらーんと光らせた。

 

「遠山君、つぶあんが好きなんですか?」

「はぁ。まぁ、『あんこ』っちゅうたらつぶあんでしょう?」

こしあんは、アレは邪道ですな〜。あのつぶつぶがないと、あんこ食べてる気がせえへんでしょ?」

「・・・私は断然こしあん派なんですが・・・」

「何ぃ!?」

金太郎の眼鏡もきらーんと光った。

 

「ははは。近藤さん、こしあんなんかのどこがええんですか?あの味気ないあんこ」

「ふふふ。遠山君こそ、つぶあんのどこがいいんだい?あの田舎くさい味」

二人はにらみ合いながらだんだん顔を近づけていく。

お互いの眼鏡がぶつかるほどに。

 

「なんや!つぶあん馬鹿にしとんのか!?つぶあんはなぁ、田舎くさくなんかないでー。ほっとする味やんか」!

「こしあんは味気なくなんてないです!繊細な味は遠山君には理解できないんでしょうね。かわいそうに」

二人が近づきすぎてるため、眼鏡が随分ズレている。

しかし、それを気にせず二人はにらみ合っていた。

 

 

「あ、ええもんはっけーん」

そこに彩が現れた。

「たい焼きやん。さっき食べてもうたんやけど、まぁええっか。いっただきま〜す」

ぱくん

「「あ」」

 

「ん?なんやこれ、あんたたちのたい焼きなん?ええやん、一個くらい、な?」